2018年12月のFOMC以降、2019年明けにかけて
マーケットはリスクオフとなりました。

そんな中、日本時間1月5日に行われた全米経済学会の
パネルディスカッションにてFRBのパウエル議長の発言が
ハト派寄りであること中日本が好感されて、マーケットの弱気が
払しょくされたかのようになっています。

これをパウエルプットと呼んでいますが、
ここでは、パウエル発言の深堀と今後の予想を書いてみます。

参考記事
パウエルFRB議長 「今年は柔軟な政策決定が可能」

まずはプット発言を取りあげます。今メディアではパウエル氏の発言の
ポジティブな側面しか取りあげていないように見受けられますが、
それは以下のようなものです。

  • FRBは利上げに向けた既定路線を進んでいない
  • 経済を支える政策手段を総動員する用意がある
  • われわれは経済動向を見極めつつ忍耐強く挑む
次にあまりメディアに取りあげられていない
今回のパウエル発言におけるタカ派な箇所を取りあげます。

そしてまず前提として、この記事はQE縮小がリスクオフの
キーとなっている、という立場を取っています。

WSJの記事から、少しまとめて抜粋します。

パウエル氏はこの日、株式市場の急落は
資産圧縮の影響だという見方には同意しない
と述べた。

また、ポートフォリオ縮小は最近の市場急落の
大きな要因ではないはずだとの見解をしめしつつ

「もし違った結論に至れば、われわれは変更を
いとなわい」とも述べた>

青字で強調している部分に注目します。
柔軟な姿勢を見せているようにみえますが、
結局は、根本の考えは12月のFOMC時と
変わっていないとみるのが自然では
ないでしょうか。

一言でいうと、QE縮小はまだ問題ないと考えている、
とパウエル氏は言っているのです。

2019年1月9日現在パウエルプットはまだ続いていますが、
今後はこの資産圧縮を継続した場合の影響が
まだまだ出てくると考えられます。