元ヘリテージ財団で現在は大学教授の
ポール・ケンガーが著した『DUPES』。
2010年に発売されたベストセラーの本書には、
第2次世界大戦前、戦中そして戦後において
ソ連・共産主義者に操られ、その利益のために
頑張ってしまっている人たちの事を「DUPES」
としています。
『ジーニアス英和辞典』によるとdupeとは
< ①だまされやすい人、ぼんやり者、間抜け >
となっています。
1950年代に起こったマッカーシズムにおいて
共産主義者と疑われた政治家・学者・芸能人が
次々と追放されました。
しかし、今ではその追放された中には共産主義者
ではなかった人物、つまり「DUPES」が多数
存在しており、一緒くたに摘発してしまったことを
現在のアメリカでは反省されています。
本人は共産党員でもなく、共産主義者でもないが、
共産主義に都合よく言説を吹き込まれてしまっている人、
結果として情報工作に加担してしまっている人
は実は現代にも多く見られる現象ではないでしょうか。
DUPES現象に対して江崎先生はこう言います。
<「お前はDUPESだ」と非難しても始まらない。
欧米では、インテリジェンスにおける情報工作、
影響力工作を学問として勉強していく必要がある
という動きが1980年代から始まった。日本の政治や
ジャーナリズムも大学でそういった学問を
勉強していく必要があるのではないか。>
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